「ガチる」趣味との付き合い方 -Speedcubing Advent Calendar 2020-

この記事は、Speedcubing Advent Calendar 2020の24日目として執筆されました。
前日の記事はkazuさんの「7×7×7 L2Cについて」です。
翌日の記事はyuukiさんの「【過去最高の出来】GAN11 M Pro 徹底レビュー【Advent calendar 2020】」です。
 
こんにちは、enotsです。
昨年(今年頭)までは東北大学ルービックキューブサークルとして活動していました。
結成が2014年8月でちょうど学部1年だった私ですが、遂に(?)今春から社会人になりました。
自分としては日々なかなかに刺激的で楽しく過ごせてますが、「せっかくこっち来たけどやりたいことができない……」という歯痒さもあるのがしんどいですね。
まあ、これは来年以降に期待です。
 
さて、今回は技術的な記事でなく、普段Speedcubingを含む趣味に興じるときに考えていることをまとめました。
音ゲーを嗜むcuberは筆者含め結構いるもので、やはりどちらもひとりで「上達を楽しむ」=「ガチる」趣味であること、という共通点があります。
私自身Speedcubingや音ゲーは勿論のこと、こういった「ガチる」趣味のウエイトが非常に高く、付き合いも長いです。
Speedcubingは8年目になりました(古参かは怪しいですが)し、音ゲーはちょうど10年になりますかね。
そういった「ガチる」趣味をたくさんやっていくなかで、「あくまで趣味として」健全に楽しむためには……と、随分と試行錯誤した記憶があります。
もちろん、それが裏目に出て非常につらい目に遭うこともしばしば。
今回はそれらの悩み抜いた経験を通して、「こういう(Speedcubing含めた)ガチる趣味との付き合い方があるよ!」という話をしたいと思います。
「Speedcubingそのもの」でもなければ主観を多分に含む随筆的な文章になりまして、非常に恐縮です。オマケにラス前だし。
それでも、楽しんで頂けると幸いです。
 
 

自分の使えるリソース量を把握する

 
のっけからなんとなく抽象的な話になりますがご容赦ください。
単に「リソース」と書きましたが、これは費やせる時間や経済力は当然、精神的な余裕といった、なかなか数値化できなさそうなものも当然含んでいます。
また教えを乞うことができたりライバル関係となり得たりする、上達の手助けとなる知己の存在も含まれますし、(Speedcubingでは影響が小さいかもしれませんが)練習する環境の良し悪しもありますね。
 
大前提として、当然のことではありますが、この「リソース」は一人一人、持っている量はすべて異なります。
「時間」一つとっても、社会人と学生とでは当然、同じ学生どうしや社会人どうしでも身を置く環境によって全く変わってきます。
個人差、って言葉がありますが、まさにそれそのものです。
そして「ガチる」趣味である以上、やはり時間や経済力といった要素はある程度避けて通れません。
勿論リソース量だけで競技成績がすべて決まってしまう、なんてことは決してありませんが、やはり費やせるリソース量が多いほど「ガチ」りやすいのは確かです。
 
かといって、実力の比較はともかく、 そういった身長みたいな要素を他人と比較しても競技にはなんの役にも立たないどころか、ただ虚しいだけなのが悲しいところ。
以前人知れずやってしまったことがあるんですが、まあ辛いのなんの。
オマケに実力のほうもバカスカいろんな種目で抜かれたもんですから、開き直れるまでは定期的にダメージを受けたのもしんどかったですね。
 
……ちょっと話が発散していて申し訳ないのですが、まとめると「個人差は認めて開き直ろう」ってとこでしょうかね。
健全な他人との比較、からの分析ができていれば当然上達には有益になります。
が、僻みとか嫉妬になるとメンタル面でプラスになるひとはそうそういないでしょう。
そういった「個人差」になるようなとこはひとまず「しゃーないね」って認めて、そこから落ち着いてどうするか考え始めるのが有益です。
その個人差を認める材料にするためにも、リソースの把握という部分が一番効いてくるかな、と考えています。
 
 

モチベーションとの兼ね合いを考える

 
では、持っているリソース量が少ないからといってガチれない、かというと決してそうではありません。
前節では述べませんでしたが、多少のリソース量はモチベーション次第で十分に盛り返せます。
良くも悪くもヒトは感情に左右される生き物ですから、「好き」「やりたい」という感情はパフォーマンスにもかなり効いてきます。
また、場合によっては前述のリソース量を増やす手掛かりにもなり得ます
 
一方、このモチベーションは所詮は感情ですから、結構些細なことでよく変化します。
これまでは続けるために特別な努力が不要だったことが、ある日突然手がつかなくなった、なんてこともあるかと思います。
逆に「もっとやりたいことができた」も、結構よくあることですね。
筆者はこればかりですぐ目移りするので趣味(それも「ガチる」系ばっか)が際限なく増えます……()
本人は楽しいし「そういうもん」って割り切ってるから、別にいいっちゃあいいんですが。

もちろん超一流を目指すためならそういったメンタルコントロールも必要なスキルの一部でしょうが、趣味は趣味と割り切ってる身にそれを求めるのも酷なのではないでしょうか。
ですから、むしろ現状のモチベーションに合わせてやることを調整する、のが健全な付き合い方ではないかな、と思います。
モチベーションもリソースも有り余っているときにはたくさん練習すればいいですし、逆にモチベーションが取れないときは、その中でもやること・やれることを最低限決めておいてそれだけにしておく、といった具合ですね。
適度な負荷で上手くモチベ管理をするのが、結果的に一番練習量を確保できます。
 
ちなみに、Speedcubingだとtribox Contestという非常にわかりやすくお手軽なコンテストが毎週あるので、「最低限やること」は比較的作りやすいのではないでしょうか。これ読んでるひとは全員知ってそう
筆者も当然やっています。トリコン、やろう。
特にシーズンポイント取りやすいマイナー競技やろうぜすきうぶとか
 
 

やりたくないときは「休止」する

 
これはあるサイトの受け売りですが。
やりたいはずの趣味が「全くやりたくない」となることは、誰しも一度はあるのではないでしょうか。
そんなときは、思い切って「一時的にやらない」ことを選択するのも、十分にアリな選択肢です。
無理してやっても辛いだけな以上、一旦別のことを始めるのです。
これがテスト勉強なら「何やっとんじゃい!」と怒られるでしょうが、これは所詮趣味ですから。
 
もちろんその間の実力の減少は、多少目を瞑る必要はあります。練習してなかった以上、ある程度感覚が鈍ってしまうのは仕方ありません。
復帰したときにこの部分をしっかり割り引いて考えないと、モチベが一気に持っていかれてやる気を失ってしまいます。
正直今でも音ゲーでたまにやってしまいますが……
一方「放置効果」も案外あるもので、最近やってなかったけど脱力が上手く行った、馴染まなかった手順がしっくりきた、みたいな経験もあるのではないでしょうか。
別種目から戻ってきたらそちらの知見を活かせた、という相乗効果を生むこともよくあります。
相乗効果狙いでいろんな種目をフラフラする、のはさすがに本末転倒ではあります(楽しいけどね!)が、メイン種目の傍ら面白そうな別種目にもアンテナを張っておくのも十分アリです。
 
また個人的に大事だと思っているのは、あくまで「休止」なことですね。「引退」ではありません。音ゲーマーは引退芸が好きなのでよく引退しては復帰しますが。
この辺の考えは特に人それぞれだと思いますが、私はやりたいときに戻ってくればいいと考えています。
モチベーションがある程度戻ったところで、ゆっくり実力を伸ばせばいいのです。
よほどのことがない限り、「競技に戻るのが遅すぎた」はないものです。


おわりに

 
「上達する」って、楽しいです。ときには上手く行かずに辛い思いをすることもあるでしょうが、それを乗り越えたときの達成感は素晴らしいものがあります。
だからこそ、上達に直接関わる部分以外でメンタルを削るのは、やはり勿体ないかなと思っています。
Speedcubingを楽しみましょう。
 
明日はいよいよAdvent Calender最終日です。
それでは、このへんで失礼します。